伊藤 やよいこ医師
プロフィール
広島大学医学部卒業。総合診療内科勤務を経て、美容医療の第一線で活躍している先生方に師事。美容の知見やスキルを習得したのち、2023年YAYOI CLINIC(ヤヨイクリニック)院長に就任。得意施術はボトックスやヒアルロン酸注入、カスタマイズたるみ治療など。丁寧な診察と痛みに配慮したナチュラルな施術がモットー。

ボトックスを目の下に施すと、どんな効果があるのでしょうか。目の下は、年齢とともにたるみやクマといった症状が表れやすい場所です。そのため、美容を気にする多くの方が悩ましいと感じる部位の1つといえるでしょう。今回は、目の下の悩みを解消してくれる方法として、ボトックス注射を紹介します。効果や持続期間、適応条件など、気になる情報を分かりやすくお伝えするので、ぜひチェックしてください。
ボトックス注射を目の下・目尻に!仕組みやおすすめの人とは?
目の下や目尻のたるみ・小じわを改善する際に、効果的なボトックス注射。ボトックス注射は、目周りの悩みにどのように作用するのか、メカニズムを発生原因とともに見てみましょう。
■目の下や目尻に生じる悩みとその原因とは?
年齢とともに、目の下や目尻に目立ち始めるたるみやシワが気になる方は多いでしょう。その原因は、目の周りにある眼輪筋にあります。眼輪筋は、笑ったり瞬きをしたりするたびに動き、さまざまな表情を作り出しますが、その際にシワが生じます。表情を形成するときにできるシワは、日常的に動く筋肉に起因するため、予防するのが難しいもの。ボトックス注射は、そんな対策が難しい目元のシワやたるみの改善に効果が期待できる施術です。
■ボトックス注射を目元に打つ効果とその仕組み
ボトックス注射に使用される薬剤は、ボツリヌス菌が生成するボツリヌストキシンが主成分になったものです。ボツリヌストキシンは筋肉の動きを妨げる働きがあるため、目の周囲に注入することで眼輪筋が抑制され、シワを軽減してくれます。また、目の下に注入すると筋肉が緩み、下まぶたが引き下げられ、自然な垂れ目を形成できます。また加齢により眼輪筋が衰えると、まぶたがくぼんで目が小さく見えることがありますが、ボトックス注射をすることで目を大きく見せる効果も得られるでしょう。そのため、「表情をやわらかくしたい」「小さい目が気になる」といった悩みを持った方に、おすすめできる施術といえます。
■ボトックス注射による目の下のケアが適している人とは?
ボトックス注射による目の下や目尻のケアは、たるみやシワが気になる20代後半から30代、もしくはそれ以降の年代の方におすすめの治療です。ただし、まだ肌にハリやうるおいがある年代の場合、効果を感じにくいこともあります。しかし、早めにボトックス注射を行うことで、表情の癖が緩和されてシワができにくくなります。また、シワが深くならないうちに対応することで改善しやすくなるため、未来のことも考えた肌治療がしたい方におすすめです。このほか、細い針を使うだけなので、切開を伴う手術に抵抗がある方や、短時間で効果を得たい方にも向いています。
■ボトックス注射とほかの治療法との違い
目の下の悩みを改善に導いてくれる方法は、ボトックス注射のほかにもさまざまなものがあります。以下の表にそれぞれの特徴をまとめたので、チェックしてください。
効果 | ダウンタイム | 効果の持続期間 | |
ボトックス注射 | ・シワ、たるみの改善
・過剰な皮脂分泌の抑制 |
ほとんどなし
※個人差あり |
4~6ヶ月程度 |
ヒアルロン酸 | ・シワ、たるみの改善
・ハリ、弾力アップ ・クマを目立ちにくくする |
腫れ、浮腫:2日程度
内出血:2週間程度 ※個人差あり |
半年~2年程度 |
レーザー治療
(トライビームプレミアム) |
・シミの軽減
・目元のハリ改善 ・クマを目立ちにくくする |
赤み:数日
一過性の色素沈着や皮疹が生じるケースも ※個人差あり |
4~6ヶ月程度 |
ショッピングリフト | ・シワ、たるみの改善
・こめかみのくぼみにもアプローチ |
腫れ、浮腫:数日
内出血:1週間程度 ※個人差あり |
6ヶ月~1年程度 |
前述した治療以外にも、手術を伴うまぶたの脂肪除去などもあります。
一般的に、ボトックス注射はほかの施術と比較するとダウンタイムが少なく、自然な仕上がりが期待できるのが特徴です。
目の下や目尻へのボトックス注射の持続期間
ここからは、目の下や目尻にボトックス注射を打つ際の効果の持続期間を紹介します。効果を長持ちさせるためのコツもお伝えするので、施術を受ける際には留意しておきましょう。
■ボトックス注射の効果の持続期間
ボトックス注射の効果は、約4~6ヶ月程度といわれています。これは平均的な目安であり、実際の持続期間は人によって異なります。代謝の早い方や、表情の動きが多い方は効果が比較的早く薄れる傾向があるでしょう。また、たるみが強い方はボトックス注射をしても症状が残ってしまうケースがあります。さらに、施術部位によっても持続期間に差が出ます。比較的動きが少ない部位のほうが、効果が長続きする可能性が考えられるため、目元は眉間や額と比較すると長持ちすると考えられるでしょう。
■効果を長持ちさせるためのケア方法
ボトックス注射の効果を少しでも維持するためには、以下のようなアフターケアがポイントです。
- 施術部位をマッサージしすぎない
- 注射後3日間はサウナや激しい運動など、体を温める行動は避ける
- 定期的な施術を受ける
ボツリヌストキシンは、熱に弱い性質があるため、温度が上がると効用が薄れてしまう可能性があります。効果を長持ちさせるためには、体温を上げる行為はしないように気をつけましょう。
また、繰り返し施術を受ける際は、効果が持続しているうちに次の予定を組むのが理想的です。施術を繰り返すたびに持続性が高まり、注射部位の筋肉が発達しにくくなるため、理想の状態を維持しやすくなります。ただし、必要以上に目の下・目尻へボトックス注射をすると、「うまく笑えない」「表情が不自然になる」といった副作用が現れるケースも。デメリットを生じさせないためには、医師と頻度や間隔についてしっかりと相談し、施術を受けましょう。
■ほかの治療法との併用も効果アップにつながることがある
ボトックス注射は、ほかの治療法と併用することでさらに高い効果が期待できます。例えば、ヒアルロン酸注射と組み合わせることで、シワの改善だけでなく、ボリュームアップにより若々しく見えるようになるでしょう。レーザー治療との併用も相乗効果があり、肌質改善とシワ改善を同時に狙えます。ただし、施術をかけ合わせる場合は医師と十分に相談し、適切な間隔を空けて治療を受けることが重要です。自分に合ったプランを見つけるためにも、信頼できる美容クリニックでカウンセリングを受けてください。
ボトックス注射を目の下や目尻へ受ける際の注意点
ボトックス注射を目の下や目尻へ適応すると、たるみや細かいシワの改善が期待できますが、安心して治療を受けるためには、注意点も把握しておくことが大切です。ボトックス注射は多くの人に効果的ですが、治療が適さない方もいます。例えば、妊娠中や授乳中の方、全身性の神経接合部障害がある方、ボツリヌス治療でアレルギー反応が起きた方は治療を受けられません。このほか、慢性的な呼吸器疾患がある方や抗生物質、精神安定剤などを内服している方は注意が必要です。施術の可否も含めて、医師に相談してみましょう。また、施術直後は激しい活動ができないため、予定がはっきりしている場合は、医師に適切な施術スケジュールを組んでもらうと安心でしょう。
■おわりに
ボトックス注射は、目の下や目尻の悩みに対して、効果的な選択肢の1つです。比較的ダウンタイムが少なく、手軽に受けられる治療ですが、個々の状況や目標に応じて、適切な治療法を選択するとより理想に近づけるでしょう。美容クリニックでは、無料のカウンセリングを実施しているところがあります。そのため、まずはカウンセリングで専門医に相談してみましょう。ボトックス以外の方法も提案できるため、ぜひ自分に合ったアプローチを探してみてください。
広島の美容皮膚科・美容内科・美容外科・アートメイク ヤヨイクリニック(YAYOI CLINIC)では、お肌、お身体、お顔のお悩み別に治療法をご紹介しています。
皆さまにより良い選択肢をご提案できますよう一人ひとりのお肌の状態を見極め、治療期間やご予算、ダウンタイムの許容範囲などご希望に合わせた治療方針を立案していく考えです。
お悩みのある方は、まずはカウンセリングにお越しください。
■あなたにおすすめの関連記事
【治療の内容】 ボツリヌストキシン製剤注入
【治療期間および回数】3~4ヶ月ごとに1回
【費用】
・1単位 ¥649~¥869(+施術料 ¥22,000)※使用する製剤・単位数によって個人差があります。
【リスク・副作用等】頭痛、注射部位の痛み・腫れ、筋肉の部分的な脱力、赤み、あざ、無感覚、内出血など
【未承認医療機器・未承認医薬品等を用いた治療について】
・本治療には国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、当クリニックの医師の判断のもと、個人輸入手続きを行ったものです。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認された薬剤を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-ボトックスビスタ®は「65歳未満の成人における眉間又は目尻の表情ジワ」で国内薬事承認
-NABOTAは米国FDA承認を取得
・重大なリスク・副作用などが明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。