河野 貴子(こうの きこ)医師
プロフィール
川崎医科大学医学部卒業。中核病院等で約20年間皮膚科医として勤務。長年の経験と実績を生かし、美容皮膚科医の道へ。皮膚をしっかり診て、皮膚のどこで何が起こっているのかを追求してアプローチする診療スタイル。得意施術はカスタマイズ治療とレーザー治療、ボトックス、肌育注射など。プライベートでは2児の母。
ニキビ痕をどうやって治すか、悩んでいませんか。ニキビが治っても痕が残ってしまい、肌に自信が持てないという方も少なくありません。そこでこの記事では、ニキビ痕を効果的に目立たなくさせる方法を紹介します。ニキビ痕ができる原因や美容医療の情報もまとめました。「ニキビ痕の色素沈着が消えない」「ニキビ痕を自力で治す方法が知りたい」という方はお見逃しなく。自信を持って素肌を見せられる日も、そう遠くないかもしれません。
ニキビ痕の種類と原因を理解しよう
ニキビ痕が残るのは、さまざまな原因があります。
- 炎症の繰り返し
- ニキビをつぶす行為
- メラニンの過剰分泌 など
さらに、年齢とともにターンオーバーの周期が遅くなるため、30代以降は痕がより残りやすい傾向に。また、ニキビ痕には種類があり、特徴が異なります。効果的にケアするには、まず自分のニキビ痕がどのタイプなのかを把握しましょう。
■赤みタイプのニキビ痕
ニキビができていた部分に、赤みが残ってしまうタイプです。赤くなる原因は、ニキビの炎症で受けたダメージを修復しようと、毛細血管が拡張するため。炎症が治まっても血液中のヘモグロビンが患部に留まり、1ヶ月以上赤みが残ることがあります。
■色素沈着タイプのニキビ痕
ニキビ痕が茶色いシミのようになる、色素沈着タイプ。ニキビの炎症が肌にダメージを与えることで、メラノサイトを刺激。色素沈着の一因となるメラニンが大量に生成されます。さらに、ニキビを発症した部分は肌のターンオーバーが乱れがちになり、メラニンを排出できずに色が残ってしまうのです。
■クレータータイプのニキビ痕
皮膚内の真皮層まで炎症が到達すると、毛穴の周辺組織が破壊され、陥没してしまいます。また、ニキビをつぶしたり放置したりするのも、クレーター状になる原因です。凹みの程度によって、アイスピック型・ローリング型・ボックスカー型などに分類されます。
ニキビ痕どうやって治す?セルフケアのポイント
ニキビ痕の存在感を和らげるには、セルフケアも重要です。ニキビ痕を効果的にケアするために、知っておきたい情報をまとめました。
■適切なスキンケア
ニキビ痕の改善を図るには、適切なスキンケアが欠かせません。とくに注力したいのが、保湿・紫外線対策・摩擦の回避の3つ。
洗顔はたっぷりの泡で丁寧に行い、汚れや古い角質を優しくオフしましょう。力を入れて擦ったり、タオルでゴシゴシ拭いたりするのはNGです。また、洗顔後はすぐ保湿をしてください。化粧水や美容液で肌を整えた後、蓋をするように油分を含む乳液・クリームを塗布します。
肌の状態が悪いと新陳代謝が促されず、ニキビ痕のケアがうまくいきません。3つのポイントを押さえ、適切なスキンケアを心がけましょう。
■効果的な美容成分を含む化粧品選び
スキンケアでは、ニキビ痕にアプローチできる美容成分を含む製品を選ぶのがポイント。ニキビ痕ケアにおすすめの成分を一部紹介します。
成分 | 特徴・働き |
アスコルビン酸誘導体 |
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トラネキサム酸 |
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レチノール |
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セラミド |
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プラセンタエキス |
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化粧品選びの際は、自分の肌タイプとニキビ痕の種類にマッチする成分を含む製品を選んでみてください。
■紫外線対策
お伝えしたように、紫外線対策もニキビ痕のケアに重要です。というのも、紫外線を浴びると、乾燥や皮膚バリアの低下などを招くため。さらにメラニンが生成されて、色素沈着を悪化させてしまうことも。ニキビ痕にも日焼け止めを塗り、外出時は帽子や日傘などで対策をしましょう。なお、より効果的に紫外線をカットできるよう、日焼け止めは2〜3時間ごと塗り直すのがポイントです。
■生活習慣の見直し
ニキビ痕を薄くするには、外側からのケアだけでなく内側からもアプローチしましょう。栄養バランスがとれた食事や睡眠時間の確保は、肌のターンオーバーを整え、ニキビ痕ケアを助けてくれます。また、生活習慣の見直しに加え、ストレスの解消も意識してみてください。
■【注意】セルフケアの限界
ニキビ痕を目立たなくさせるためにセルフケアは効果的ですが、限界があります。過度なケアや強すぎる美容成分の使用は、かえって肌を傷めかねません。深いクレーターや頑固な色素沈着をセルフケアのみで改善するのは、不可能に近いでしょう。
「ニキビ痕が1年以上消えない」と悩んでいる方は、美容医療を検討するのも1つの方法です。ニキビ痕として残る色素沈着や赤みの存在感を消すには、自分の肌状態に合った専門的なケアを受けることが大切です。
ニキビ痕どうやって治す?美容医療編
※画像はイメージです
では、美容クリニックで受けられる治療の中で、ニキビ痕のケアに向いている施術を紹介します。
なお、美容医療でニキビ痕治療を検討する際は、信頼できる医師とクリニック選びが重要です。事前のカウンセリングで、治療内容やリスク、料金について説明を受けましょう。美容医療は効果的ですが、適切な判断と慎重な対応が求められます。
■レーザー治療
レーザー治療は、ニキビ痕のケアに効果的な方法として注目されています。ニキビ痕の色素沈着や凹凸にアプローチできるレーザーの主な種類と、特徴をまとめました。
レーザー治療の種類 | 特徴 |
Qスイッチヤグレーザー | 肌の深部までエネルギーを与えて、色素沈着を薄くする |
フラクショナルレーザー | あえて肌に微細な穴を開け、ターンオーバーやコラーゲンの生成を促し、肌表面をなめらかにする |
ピコレーザー | 3種類の照射モードを症状に合わせて使い分け、色素沈着のケアや肌の弾力アップを目指す |
レーザー治療は、ニキビ痕の種類や程度を考慮して使い分け、複数回照射して改善を図ります。ただし、肌質や状態によって効果の出方に個人差があるため、専門医としっかり相談しましょう。
YAYOI CLINICでは、Qスイッチヤグレーザーのトライビームプレミアムの施術が可能です。深い色素沈着にアプローチすることで、肌のトーンアップが見込めます。
■ケミカルピーリング
肌表面に薬剤を塗り、古い角質を除去するケミカルピーリング。ニキビ痕の赤みや色素沈着が薄くなるのと同時に、肌のターンオーバーも促進されます。比較的低刺激でダウンタイムも短いため、美容医療初心者でも受けやすいでしょう。
ただし、深いクレーター状のニキビ痕に対して、大きな効果は期待できません。他の治療法との組み合わせを検討しましょう。
YAYOI CLINICでも、ピーリングメニューを取り扱っています。悩みに応じて3種類の治療法を使い分け、肌の生まれ変わりを助けます。
■ヒアルロン酸注入
クレーター状のニキビ痕に有効なのが、ヒアルロン酸注入です。凹んだ部分にヒアルロン酸製剤を直接注入。内側から肌を持ち上げて表面をなめらかにします。
施術は比較的短時間で済み、ダウンタイムも少ないのが特徴です。即効性があり、注入直後から効果を実感しやすいでしょう。ただし、注入したヒアルロン酸製剤は体内に吸収され、効果が薄れてくるため、定期的なメンテナンスが必要です。
ニキビ痕どうやって治す?ドクターズコスメ編
ニキビ痕を目立たなくさせるには、ドクターズコスメを取り入れてみるのも有効です。ドクターズコスメは、高濃度の美容成分を含み、角質層への浸透性にすぐれているのが特徴。ニキビ肌に特化した製品もあるので、気になる方は医師に相談してみてください。
■おわりに
ニキビ痕の存在感を薄め、なめらかな肌を手に入れるには、適切なケアが必要です。セルフケアで満足できる結果にならず「ニキビ痕どうやって治すべき?」と迷った際は、美容医療も視野に入れてみましょう。美容クリニックでは、レーザー治療やケミカルピーリング、ドクターズコスメの処方など、症状に合わせた効果的な施術が受けられます。これを機に、ニキビ痕ケアをグレードアップさせましょう。
広島の美容皮膚科・美容内科・美容外科・アートメイク YAYOI CLINIC(ヤヨイクリニック)では、お肌、お身体、お顔のお悩み別に治療法をご紹介しています。
皆さまにより良い選択肢をご提案できますよう一人ひとりのお肌の状態を見極め、治療期間やご予算、ダウンタイムの許容範囲などご希望に合わせた治療方針を立案していく考えです。
お悩みのある方は、まずはカウンセリングにお越しください。
【治療の内容】 QスイッチNd:YAGレーザー(レーザートーニング)
【当院採用機器】トライビームプレミアム
【治療期間および回数】週1回、計5~6回程度
【費用】1回 ¥21,780
【リスク・副作用等】赤み、炎症後色素沈着、瘢痕形成、色素脱失など
【使用機器について】
・トライビームプレミアムの治療には、国内未承認医薬品または医療機器を用いた施術が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、当クリニックの医師の判断のもと、Jeisy Medical Incより個人輸入手続きを行ったものです。
・個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参照ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品はありません。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】ケミカルピーリング
【当院採用薬剤】
・マッサージピール
・ミラノリピールミラノリピール
・ミントピール
【治療期間および回数】
・マッサージピール:2~3週間に1回、計5回程度
・ミラノリピールミラノリピール:2~3週間に1回、計3~10回程度
・ミントピール:1~2週間に1回、計4~6回程度
【費用】
・顔、手、首のうち1部位:1回 ¥21,780
・首とデコルテ(ミラノリピールのみ):1回 ¥43,560
・背中(ミラノリピールのみ):1回 ¥43,560
【リスク・副作用等】
・マッサージピール:赤み、皮むけ、かさぶたなど
・ミラノリピール:痛み、赤み、かさぶた、一時的なニキビの悪化など
・ミントピール:皮むけ、赤み、腫れ、かさぶたなど
【未承認医薬品等であることについて】
・マッサージピール、ミラノリピール、ミントピールの治療には、国内未承認医薬品または医療機器を用いた施術が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、当クリニックの医師の判断のもと、個人輸入手続きを行ったものです。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参照ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品はありません。
・重大なリスク・副作用などが明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】 ヒアルロン酸製剤注入
【当院採用薬剤】
・ジュビダームビスタ® ボライトXC
・ジュビダームビスタ® ボルベラXC
・ジュビダームビスタ® ボリフトXC
・ジュビダームビスタ® ボラックスXC
・ジュビダームビスタ® ボリューマXC
【治療期間および回数】15分程度、1回ごとの治療
【費用】1本 ¥79,800(+施術料 ¥22,000)※使用する本数には個人差があります。
【リスク・副作用等】アレルギー反応、疼痛、感染、修正位置のずれなど
【未承認医薬品等であることについて】
・ヒアルロン酸注射およびヒアルロニダーゼ注入には、国内未承認の薬剤および薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、当クリニックの医師の判断のもと、個人輸入手続きを行ったものです。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参照ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・諸外国における安全性等に係る情報
-ジュビダームビスタ®シリーズ:「顔面の中等度から重度のシワや溝の修正」で国内薬事承認
-ヒアルロニダーゼ:韓国・MFDSより承認
・重大なリスク・副作用などが明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。