ボトックスリフトは、フェイスラインや広頚筋のある首にボツリヌストキシン製剤を注入する治療。施術により顔や首がすっきりとした印象につながる効果が期待できます。しかし、ボトックスリフトを検討している方の中には、デメリットや失敗のリスクを恐れている方も。そこで今回は、ボトックスリフトで後悔しないための基礎知識について詳しく解説していきます。
ボトックスリフト・マイクロボトックスとは
※画像はイメージです
ボトックスリフトで期待できる効果や施術内容についてご紹介します。
ボトックスリフトは自然なリフトアップを目指す治療
ボトックスリフトは、フェイスラインや広頚筋のある首などにボツリヌストキシン製剤を注入する治療です。皮膚の浅い層に細かく注入する「マイクロボトックス」と呼ばれる手法で行われます。クリニックによっては、フェイスリフトボトックス、広頚筋ボトックスなどとも呼ばれているようです。
広頚筋とは口を「イー」の形にしたときに浮かび上がる首の筋肉のこと。通常フェイスラインは下向きに働く広頚筋と、重力に抗うように働く抗重力筋が引っ張り合うようにバランスを保っています。しかし、加齢によって両者のバランスが崩れると、顔や首にたるみ・もたつきが生じる原因に。
ボツリヌストキシンには、神経や筋肉の働きを抑制する作用があります。ボトックスリフトはこのようなボツリヌストキシンの働きを生かし、自然なリフトアップを目指す治療です。
ボトックスリフトを打つ場所は?適応部位とその効果
ボトックスリフトの適応部位は目の周りや頬、フェイスライン、首など。注入による効果は下表のとおりです。
適応部位 | 注入による効果 |
目元・目尻 | 目尻のたるみを軽減し、目元をすっきりと見せる。 |
頬 | 頬全体のリフトアップが期待でき、ほうれい線の改善にもつながる。また、毛穴が引き締まって見えるため、肌が滑らかな印象に。 |
フェイスライン・首 | フェイスラインや首元をすっきりとした印象に見せる。 |
ボトックス注射との違い
通常のボトックス注射は、顔にある表情筋に注入することでシワの改善やエラの縮小を図ります。一方でボトックスリフトは、筋肉ではなく皮内の浅い層に注入する施術です。ボトックス注射とは違ったアプローチで、首のタイトニングやフェイスラインの引き締めに効果を発揮します。
ボトックスリフトのメリットとデメリット、失敗のリスクは?
ボトックスリフトには、メリットだけでなくデメリットや失敗のリスクもあります。
ボトックスリフトのメリット
ボトックスリフトのメリットは大きく4つです。
・切開しないため出血や感染のリスクが低い
ボトックスリフトはメスを使わないため、出血や感染のリスクが少ない治療です。通常手術には切開によるリスクや副作用がつきものですが、ボトックスリフトは非侵襲的な施術。注射だけで治療が完了するため、傷痕がほとんど目立ちません。
・施術時間が短くダウンタイムが少ない
ボトックスリフトの施術時間は、麻酔を除けば10~15分程度。ダウンタイムも少なく、施術後問題がなければすぐに日常生活に戻れます。また、メイクやシャワーが当日からできるため、大きく生活スタイルを変える必要がありません。
・手軽に首のシワやたるみにアプローチできる
ネックリフトなど、首のシワやたるみにアプローチできる美容医療はいくつかありますが、皮膚を切開する治療では痛みやダウンタイムを伴います。注射だけで受けられる手軽さは、ボトックスリフトならではのメリットです。
・自然な表情に仕上がる
ボトックスリフトは通常のボトックス注射とは違い、筋肉ではなく皮膚の浅い層に製剤を注入します。表情筋や広頚筋に直接注入するわけではないため、自然な表情を保ちながら顔や首のリフトアップを目指せます。
ボトックスリフトのデメリット
一方、ボトックスリフトのデメリットには以下のようなものが挙げられます。
・効果は永久に続かない
個人差もありますが、ボトックスリフトの効果は3~6ヶ月程度が目安です。そのため効果を持続させるには、繰り返し施術を受ける必要があります。手軽に受けられる治療ではありますが、長く続けるほど負担に感じる可能性が出てくるかもしれません。
・副作用を伴う可能性がある
切開はしませんが、ボトックスリフトに副作用や合併症がないわけではありません。注射で皮膚を刺す以上、施術部位に赤みや腫れ、痛みを伴うリスクがあります。通常は1週間以内に落ち着くケースがほとんどですが、気になる場合は事前に施術前後の予定を調整するなどの配慮が必要です。
・思うような効果が得られないことがある
施術の仕上がりには個人差があるため、人によってはボトックスリフト単独で思うような効果が得られないことがあります。「思うような効果が得られなかった」というような期待外れのリスクを避けるには、ボトックスリフトが自分の症状に適しているかをしっかりと医師に相談しておくことが大切です。
ボトックスリフトで起こりやすい失敗
ボトックスリフトでは、次のような失敗が起こる可能性があります。
・左右非対称になる
ボトックスリフトには、左右非対称になるリスクがあります。筋肉量は必ずしも左右で一緒というわけではありません。バランスを考慮せずに治療すれば施術後の違和感につながります。また、ボツリヌストキシン製剤の注入位置がズレることも、左右非対称を引き起こす要因です。
・表情が作りにくくなる
ボツリヌストキシン製剤は、筋肉の働きを抑制する作用を持ちます。そのため、施術者の技術力不足などで注入箇所を誤れば、表情が作りにくくなるリスクがあります。万一治療後に表情のこわばりを感じる場合は、速やかに専門医に相談するようにしましょう。
ボトックスリフトの料金とクリニックの選び方
ボトックスリフトで失敗しないためには、費用相場とクリニック選びのポイントを知っておくことが大切です。
ボトックスリフトの費用相場
ボトックスリフトの費用相場は、おおよそ3万円台~11万円台です。しかし、使用する製剤や注入量、施術を受けるクリニックによって、当然価格は変動します。
繰り返し施術を受ける可能性を考えると安いに越したことはありませんが、ボトックスリフトは医師の技術力によって仕上がりが左右されやすい施術。施術後に後悔しないためには、料金だけに囚われることなく、多角的な視点でクリニックや医師を選ぶことが大切です。
クリニック選びで重視したいポイント
クリニック選びでは、以下のようなポイントに注目してみましょう。
・使用する製剤が厚生労働省の認可を受けているか
ボツリヌストキシン製剤には複数の種類があり、効果や持続期間はその種類によってまちまちです。失敗のリスクを避けるには、使用する製剤が厚生労働省から認可を受けているかというのも重要なポイント。例えばアラガン社の「ボトックスビスタ®」は、国が効果・効能を承認している製剤です。体内に注入するものだからこそ、使用する製剤の特徴や効果、副作用についてはしっかりと確認しておくようにしましょう。
・カウンセリングに時間をかけてもらえるか
「希望どおりにならなかった……」というリスクを避けるには、事前に医師と施術後のイメージを共有しておくことが大切。目指すゴールがお互いに統一されていれば、不満につながる可能性は少ないからです。カウンセリングに時間を割いてくれるクリニックなら、疑問や不明点のない状態で施術を受けられるでしょう。
・アフターケアの指示が的確か
ボトックスリフトには、施術後に守るべきいくつかの注意点があります。例えば、サウナや運動といった血行が良くなるような行為を避ける、施術部位に強い圧をかけないなどです。術後の過ごし方が不適切な場合には、効果が思うように持続しなかったり副作用が強く現れたりする可能性があります。クリニック選びでは、施術はもちろんアフターケアの指導に力を入れているかどうかもチェックしておくようにしましょう。
おわりに
ボトックスリフトは、乾燥による小ジワや首のたるみ、もたつきにアプローチできる施術です。施術で後悔しないためには、メリットだけでなくデメリットや失敗のリスクも考慮したうえで総合的に判断する必要があります。焦って決めるのではなく、今回ご紹介したクリニック選びのポイントを参考に、じっくりと検討してみてください。
広島の美容皮膚科・美容内科・美容外科・アートメイク YAYOI CLINIC(ヤヨイクリニック)では、お肌、お身体、お顔のお悩み別に治療法をご紹介しています。
皆さまにより良い選択肢をご提案できますよう一人ひとりのお肌の状態を見極め、治療期間やご予算、ダウンタイムの許容範囲などご希望に合わせた治療方針を立案していく考えです。
お悩みのある方は、まずはカウンセリングにお越しください。
【治療の内容】 ボツリヌストキシン製剤注入
【当院採用薬剤】
・ボトックスビスタ®(A型ボツリヌス毒素)
・NABOTA(A型ボツリヌストキシン)
【治療期間および回数】3~4ヶ月ごとに1回
【費用】
・ボトックスビスタ®(A型ボツリヌス毒素)
-全顔 1単位 ¥869(+施術料 ¥22,000)※使用する単位数には個人差があります。
・NABOTA(A型ボツリヌストキシン)
-全顔:1単位 ¥649(+施術料 ¥22,000)※使用する単位数には個人差があります。
-エラ:¥29,800~¥32,800
-マイクロボトックス(顔):¥34,800
-両脇:¥39,800
-ボトックスリフト:¥34,800
-ボトックスリフト+首:¥39,800
-肩:¥34,800~¥54,800
-両ふくらはぎ:¥39,800~¥49,800
【リスク・副作用等】頭痛、注射部位の痛み・腫れ、筋肉の部分的な脱力、赤み、あざ、無感覚、内出血など
【未承認医薬品等であることについて】
・ボトックスの治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、当クリニックの医師の判断のもと、個人輸入手続きを行ったものです。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認された薬剤を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-ボトックスビスタ®は「65歳未満の成人における眉間又は目尻の表情ジワ」で国内薬事承認
-NABOTAは米国FDA承認を取得
・重大なリスク・副作用などが明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。